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百人一首ちょっと講座

その2

10 蝉丸
   せみまる
これやこの行くも帰るも別れては
知るも知らぬも逢坂の関
ここは、東国へ行く人も都へ帰る人も、この関で待ち合わせする(逢う)んで逢坂関というんだけど、ここで見送りの人と別れて東へ行く人たちは、今までの知り合いも、知らなかった人もみんな知りあいになって行く。だから、やっぱり逢坂の関なんだ。(「あふさか」って書いて「おうさか」って読むのです)
 
17 在原業平朝臣
   ありはらのなりひらのあそん
ちはやぶる神代も聞かず竜田川
からくれなゐに水くくるとは
不思議な事の多いという神代のことでだってこんな話聞いたことないよ。あの竜田川の流れがまるで真紅な韓紅(からくれない)の絞り染めで、紅葉を染め抜いたみたい。すっごい綺麗だ。(くぐるでなく、くくるです。しぼり染めです)
18 藤原敏行朝臣
   ふじわらのとしゆきのあそん
住の江の岸による波よるさへや
夢の通ひぢ人めよくらむ
住の江の岸によせる波じゃないけど、僕はいつも、あの人に逢うのに人目を避けなきゃいけないんだけど、なんで、夜、夢の中でまで人目をはばかって行かなきゃなんないの?(気にしてるからよけいに夢にでるのよ)
87 寂蓮法師
   じゃくれんほうし
村雨の露もまだひぬまきの葉に
霧たちのぼる秋の夕暮
強く降って通り過ぎた村雨の露がまだ乾かないでいる真木(常緑樹の類の木全体をさす)の葉っぱに、もう、霧が立ち込めているよ。秋の夕暮れの寂しい景色だね。
53 右大将道綱母
   うだいしょうみちつなのはは
嘆きつつひとりぬる夜の明くるまは
いかに久しきものとかはしる
最近あなたってばちっとも来ないんだもん。嘆きながら一人で寝てんの。夜があけるまでがどんなに長いか、わかるぅ?わかんないでしょ。(あなたに他の女がいるって知ってるの・・・。女の恨みは怖いわよ。「蜻蛉日記」の作者。)
98 従二位家隆
   じゅにいいえたか
風そよぐならの小川の夕暮れは
みそぎぞ夏のしるしなりける
風邪がそよそよ吹いてて、楢の葉っぱを動かしてる。ならの小川(京都の上賀茂神社の境内を流れる川)の夕方って涼しいからまるで秋って感じ。だけどみんなが夏越のみそぎをしてるから、それが夏だっていう証拠なのよ。
 小野小町
  おののこまち
花の色はうつりにけりないたづらに
わが身世にふるながめせしまに
桜の花の盛りが見たかったのに、いつの間にか色が褪せてるわねえ。長雨に閉じ込められてな〜んにもできずにぼんやりと眺めてた間に、私もすっかり色あせたおばさんになっちゃったわ。(う〜ん、ショック。)
 
13 陽成院
   ようぜいいん
筑波嶺の峰より落つるみなの川
こひぞつもりて淵となりぬる
筑波山の峰から流れ落ちてくる水が、だんだん集まってみなの川になるみたいに、ボクの恋もだんだんに積もって、川の淵みたいになってしまった。深〜く深〜く貴女のこと思ってるよ。
 
14 河原左大臣
   かわらのさだいじん
陸奥のしのぶもぢずり誰故に
乱れそめにし我ならなくに
陸奥で作られる「しのぶもぢずり」の模様みたいに、ボクの心はめっちゃ、乱れとるんだけど誰のせいだと思う?ボクのせいじゃないよ。(キミがつめたくするから・・・。「しのぶもぢずり」はしのぶ草の葉や茎を絹布にすり染めたもの。かなり乱れた模様なのでしょう。)
 
 天智天皇
  てんじてんのう
秋の田のかりほの庵の苫を荒み
わが衣手は露にぬれつつ
稲が実った秋の田。鳥や獣が荒らしに来るんで見張り番をする仮の庵は苫の目が粗いから僕の袖はいつだって、露にぬれてるんだ。(僕は中大兄皇子です。苦労している農民になりかわって歌ってみました。農民さん、いつもご苦労様。)
27 中納言兼輔
   ちゅうなごんかねすけ
みかの原わきて流るるいづみ川
いつみきとてか恋しかるらむ
みかの原で湧きでて流れる泉川じゃないけど、いつ逢ったっていうんだ、彼女の事がこんなに恋しいなんて。1回もあってないぞ。(噂に聞いただけらしい。惚れっぽいね。ダメだよ、噂ってあんまり信用できんから。)
33 紀友則
   きのとものり
久かたの光のどけき春の日に
しづ心なく花のちるらむ
お日様の光がほ〜んとにのどか〜に感じる春だっていうのに、な〜んでかな〜桜だけがそわそわとせわしなく散ってくよ。面白いねえ。(現代なら桜の散るのさえのどかに感じるだろうっていうのに。)
42 清原元輔
   きのはらのもとすけ
ちぎりきなかたみに袖をしぼりつつ
末の松山浪こさじとは
お互いに涙に濡れた袖を絞ってもらい絞ってあげて、末の松山はぜったいに波が越すことがないように、二人の心もぜ〜ったいに変わらないよって誓ったじゃない。なのに、なんで貴女は僕を裏切ったりするの?
 
46 曽禰好忠
   そねのよしただ
由良のとを渡る舟人かぢをたえ
行くへも知らぬ恋のみちかな
由良の海を舟をこいで渡る舟人が、梶の緒が切れちゃって、行く方向もわかんなくなっちゃって、ふらふらと漂ってるみたいに、どこへ行くんだろう、どうなっちまうんだろう、さっぱり分からなくって不安でたまらないよ。僕の恋の行く末は。
 
72 祐子内親王家紀伊
   ゆうしないしんのうけのきい
音に聞く高師の浜のあだ波は
かけじや袖のぬれもこそすれ
あの噂に名高い高師の浜に打ち寄せてくるあだ波は、かかれば袖が濡れるでしょう?貴方は、高師のあだ波くらい有名なプレイボーイですもの、貴方の言葉は真に受けないようにしますわ。涙で袖を濡らすことになるかもしれませんものね。
 
90 殷富門院大輔
   いんぶもんいんのたゆう
見せばやな雄島のあまの袖だにも
ぬれにぞぬれし色はかはらず
あの人に見せたいもんだわ。松島の雄島の漁師さんの着物だって、あんなに波に濡れてるのに、色は変わらないのよ。なのに、私の袖は血の涙で真紅に染まってるの。つれない彼のせいで。
 
34 藤原興風
   ふじわらのおきかぜ
たれをかもしる人にせむ高砂の
松も昔の友ならなくに
誰を友達にしたら良いのだろう。こんなに年老いてしまって、昔の友達は誰も生き残っていないし、あの高砂の松も昔から生えているけど、昔からの友達ってわけじゃないし。やっぱり一人ぼっちだ。寂しいなあ。(新しく友達作ろうよ、という問題じゃないか。)
 
60 小式部内侍
   こしきぶのないし
大江山いく野の道の遠ければ
まだふみも見ず天橋立
母のいる丹後の国は、大江山、幾野と通ってゆく遠い遠いところですから、あの歌の名所で名高い天橋立をまだ踏んだ事もありません。ましてや母の手紙など見てもおりませんわ。(遠くて手紙はまだ届きませんもの。でも、ちゃんと歌くらい自分で詠めますわ。)
 
62 清少納言
   せいしょうなごん
夜をこめて鳥のそらねははかるとも
よに逢坂の関はゆるさじ
夜が明ける前に鶏の鳴きまねして、函谷関の関守を欺いたっていうけど、私は騙されないわ。男女が逢うっていう名前の逢坂の関では、そんなウソ決して許さないからね。あんな時刻に鶏が鳴くものですか。
 
67 周防内侍
   すおうのないし
春の夜の夢ばかりなる手枕に
かひなく立たむ名こそ惜しけれ
ちょっと横になりたいから枕が欲しい事は確かなんだけど、春の夜のはかない夢のようなそんなたわむれで貴方の腕を手枕にしちゃったら、そのためにつまらない噂がたつでしょう。そんな浮名が口惜しいのよ。
 

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