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百人一首ちょっと講座

その1

  持統天皇
   じとうてんのう
春過ぎて夏来にけらし白妙の
衣ほすてふ天の香具山
もう春が過ぎちゃって、夏が来たみたいねえ。天の香具山にね、民たちが夏になったんで、今まで着てた春の着物をお洗濯して、真っ白になったのを干してるのが見えるから。 (さすがです。洗濯物で季節を知る人)
 
  山部赤人
   やまべのあかひと
田子の浦にうち出でて見れば白妙の
富士の高嶺に雪は降りつつ
田子の浦に出かけてって、向こうの方を見ると白妙のように真っ白な富士山のてっぺんに、また、ほら、雪がふってるでしょ?すっごいきれいだよね。
 
40  平兼盛
   たいらのかねもり
忍ぶれど色に出でにけりわが恋は
物や思ふと人の問ふまで
大好きなんだよ。人に知られないように一生懸命ナイショにしてるんだけどさ、顔にどうしても出てしまうみたい。「恋してるんじゃなーいぃ?」って、人に聞かれるほどなんだ。(次の41番と比べてみてください)
41  壬生忠見
   みぶのただみ
恋すてふわが名はまだき立ちにけり
人知れずこそ思ひそめしか
「恋してるんだってー」ってボクの評判がたっちゃってー。人に知られないようにひそかにあの人の事、想い始めたばっかりだって言うのにぃ。(あなたはどちらが好きですか)
15  光孝天皇
   こうこうてんのう
君がため春の野に出でて若菜つむ
わが衣手に雪は降りつつ
春なので野原に出てって、あなたにプレゼントしようっかなぁと、この若菜を摘んだんです。そん時にね、ぼくの着物の袖のとこに、雪が降ってきてたんです。(親王時代に詠まれた歌。さわやかな若さを感じます)


21  素性法師
   そせいほうし
今来むと言ひしばかりに長月の
有明の月を待ち出でつるかな
あなたが「すぐ行くよー」って言うから信じて、9月のながーい夜をずっとずっとずーっと待ってたのに、あなたは来なくって、明け方の月を待ってたみたいになっちゃったよう。(素性法師が女性の立場に立って詠んだ歌。決して法師が彼女を待ってたわけではありません)
 
43  権中納言敦忠
   ごんちゅうなごんあつただ
あひみての後の心にくらぶれば
昔は物を思はざりけり
ずっと会いたいと思ってたあなたにお会いできてから後のこの気持ち、これに比べればお会いする前は物思いなんてなかったといっても良いくらいです。(後朝の歌。もう一時も離れていたくないと言いたげです)
 
49  大中臣能宣朝臣
   おおなかとみのよしのぶのあそん
みかきもり衛士のたく火の夜は燃え
昼は消えつつ物をこそ思へ
内裏の御垣を守る衛士が焚くかがリ火とおんなじで、ぼくの胸の中の恋の火も、夜は燃え上がり、昼は身も心も消えてしまうかのように打ちひしがれて思い悩んでいるんです。(これも、熱烈)
 
55  大納言公任
   だいなごんきんとう
滝の音は絶えてひさしくなりぬれど
名こそ流れてなほ聞こえけれ
滝の水はもうずうっと前に絶えちゃって音はしなくなってしまったんだけど、滝の名前だけは世間に流れて有名になって、まだ鳴り響いてるよ。(頭韻がリズミカルです)
 
70  良暹法師
   りょうぜんほうし
寂しさに宿を立ち出でてながむれば
いづこも同じ秋の夕暮れ
なんか、あんまり寂しいもんだから、どっかいいトコないかなーって出かけてあっちこっち眺めてみたんだけど、どこもおんなじで、わびしい秋の夕暮れってやつでさ、つまんないの。


84  藤原清輔朝臣
   ふじわらのきよすけのあそん
ながらへばまたこの頃や忍ばれむ
憂しと見し世ぞ今は恋しき
これからもこの世に生きながらえたら、つらいと思っている今を懐かしく思い出すだろうなあ。あんなにイヤだと思ってたあの頃のことが、今になってみると恋しいくらいだもんなあ。(そうなんです。今イヤなことがあってもがんばってみてください。きっと懐かしく思い出す日があるでしょう)
 
81  後徳大寺左大臣
   ごとくだいじのさだいじん
ほととぎす鳴きつる方をながむれば
ただ有明の月ぞ残れる
ホトトギスが鳴いたんで、そっち見たんだけど、もうどっか行っちゃって、ただ有明の月が空に残ってるだけだった。すばやいなあ。
77  崇徳院
   すとくいん
瀬を早み岩にせかるる滝川の
われても末にあはむとぞ思ふ
浅瀬の流れの速いのが、岩にさえぎられて二つに別れてる。でも、ちゃんと元通り一緒になるように、僕達も、たとえ今は人にじゃまされてもいつか会えるよね。(恋だの愛だの書いてないけれど、おとなしそうで実は激しい心を持ってます)


  猿丸大夫
   さるまるだゆう
奥山に紅葉ふみわけ鳴く鹿の
声聞く時ぞ秋は悲しき
人里遠く離れた深い山奥で、紅葉の落ち葉を踏みながら妻を呼んで鳴いている鹿の声、ホントこれ聞いてるときって秋は物悲しいなって思うの。
 
22  文屋康秀
   ふんやのやすひで
吹くからに秋の草木のしをるれば
むべ山風を嵐といふらむ
山の風が吹くと秋の草木はすぐ枯れてしおれてしまう。それで、山風のことを嵐っていうんだな、納得。(山+風=嵐という文字遊びを含んでいます)
36  清原深養父
   きよはらのふかやぶ
夏の夜はまだ宵ながら明けぬるを
雲のいづこに月やどるらむ
夏はいっくら夜が短いっていったってまだ宵でしょう?え、もう明けちゃったの?こんな短い時間じゃ、月は西の山までたどりつくはずないよ。雲のどっかに隠れてるんだろう。(一気に宵から暁になったみたいと感じたのですから、よほど楽しかったのでしょうが、デート中ではなかったようです)
 
57  紫式部
   むらさきしきぶ
巡りあひて見しやそれともわかぬ間に
雲がくれにし夜半の月かな
久しぶりに逢って、私の好きなあの人かどうかよくわかんないうちに貴方は帰ってっちゃったわ。まるで、夜中の月が雲に隠れたみたいに。(もっと、一緒にいたかったのにって、たぶん5分や10分で帰ってしまったわけではないと思いますが)
79  左京大夫顕輔
   さきょうのたいふあきすけ
秋風にたなびく雲の絶え間より
もれ出づる月の影のさやけさ
秋風にふかれて、たなびいてる雲の切れ目から、もれて出てくる月の光は、なんとまあ、清らかでさわやかなんだろうねぇ。うーん、感動!!
 
61  伊勢大輔
   いせのたいふ
いにしへの奈良の都の八重桜
けふ九重ににほひぬるかな
昔、奈良の都で咲いていた八重桜が、今日は京のここ、宮中(九重)で、美しく咲いて匂っていること。まあ、なんと素晴らしいことですわねぇ。(ダイスケって読まないでね。女ですから)
 
89  式子内親王
   しょくしないしんのう
玉の緒よ絶えなば絶えねながらへば
忍ぶる事の弱りもぞする
私の命、絶えてしまうものなら絶えてしまえばいいわ。この恋を忍ぶ力が弱まっておさえきれなくなって世間の人たちにバレてしまうかもしれない。そのくらいなら、いっそ。(激しいです。そこまでナイショにしなけりゃいけないなんてお姫様も楽じゃありません)

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